k_baseの日記

野球ファンの戯言です

MLB、空前絶後の市場停滞のワケ(前編)

あるファンが嘆いた、「ダルさんいい加減移籍先決めてください、他の選手が決まらないです…。」

 

ダルさんとはもちろんダルビッシュ有の事である。ダルビッシュはこのレスにいち早く反応、「なぜあなたの欲のために自分がせっかく手に入れた権利を早くに捨てなければならないのか」と疑問を呈した。ダルビッシュの言うことは支局真っ当である。

 

しかし、だ。ファンの気持ちがわからないではない、今年のMLBのFA市場は動きが遅すぎるのだ。

 

例年であれば12月上旬、全30球団GMが一堂に会するウインターミーティングをきっかけとして市場は活発化し、大物選手からどんどん契約が締結され、その後大物獲得を逃した球団が未契約選手の中から埋められなかったピースを埋めていく。

しかし、今市場は未だ大物選手のほとんどの契約が決まらず、それに従って、FA状態のその他の選手もほとんど移籍先が決まらずにいる。

日本人選手も例外ではなく、大物選手にカテゴライズされるのがダルビッシュ有(ドジャースFA)、その他の選手にカテゴライズされるのは青木宣親(メッツFA)、イチロー(マーリンズFA)ということになる。ダルビッシュなどは今市場最大の目玉であり、その彼の移籍先が未だに決まらないという異常事態が冒頭のファンのフラストレーションにつながったというわけである。

 

大物選手とは総額1億ドルを超える契約が予想される選手のことであるが、日本時間2月5日現在でダルビッシュ以外にもジェイク・アリエッタ(カブスFA)、エリック・ホスマー(ロイヤルズFA)、JD・マルティネス(ダイヤモンドバックスFA)と数名を数える。

繰り返しになるが、これは異常事態である。これら1億ドルの契約が見込める選手たちが未だ所属先不定なことで、その他100名近くのFA選手の移籍先が未だに決まっていないことをあげれば、その異常さが良くお分かりいただけるだろうか、キャンプまであと約10日、移籍先の決まらない選手たちのコンディションも心配なところである。(青木などはこの状況にしびれを切らし、NPB東京ヤクルトへの復帰を決めたといえる)

 

ダルビッシュにリプライする気はないが、私だって冒頭のファンと気持ち的には同じである。

 

しかし、この市場の停滞を引き起こしている最大の原因は大物選手たち自身にあるわけではない、彼らは1億ドル契約を得てしかるべき実力を有した選手たちであるし、自分の望む契約が提示されるまで待つ権利はもちろんある。

 

ならば、何が問題なのか、

 

そう、それは今市場でのMLB各球団の買い渋りの性格である。

 

ではなぜ、各球団は今市場に積極投資しないのか、その理由については後編にて詳しく述べる。